ギャンブル依存症1~2割に重症化の危険
1~2割に重症化の危険 ギャンブル依存症 治療環境整備が急務
最新の治療に取り組む専門医は「依存症になっても多くは自然回復する。
問題は深刻な葛藤などの重症化因子を抱え、自己破産や自殺にまで進んでしまう人が全体の1~2割いることだ」と指摘する。
ギャンブル依存症は、賭け事に対する衝動が抑えられず、やめたくてもやめられなくなる精神障害だ。
家庭や仕事といった自分が大事にしていたものより賭け事を優先するようになり、人間関係の破綻や多額の借金などの問題を招く。
厚生労働省研究班(代表=樋口進・同センター院長)の推計では、ギャンブル依存の疑いがある人は国内に536万人。成人の4・8%に上る。
国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)に昨年6月に「病的ギャンブリング外来」が開設された。
「諸外国の1~2%と比べ日本は多い。町中にパチンコ屋があふれ、気軽にギャンブルをできることが背景にあります」と、病的ギャンブリング外来で責任者を務める河本泰信・精神科医長。
実際、同センターでは、原因となった賭け事の9割をパチンコやスロットが占めている。
河本さんによると、多くの場合、依存症は一時的なもので、治療しなくても2~3年で自然に回復する。
その割合が9割近くに達するという海外の報告もある。
しかし一方で、破産や自殺といった破滅的な状況に陥る人が1~2割存在する。
「破滅に向かう人は、心の奥底に強い羞恥心や孤独感、無力感といった葛藤を抱えているケースが多い。
そういう重症化因子のある人たちを見分けて治療に結びつけるのが私の使命です」と河本さんは話す。
ギャンブル依存症の相談や治療に適切に対応できる環境の整備が急務です。
重症化因子のある人は今も50万~100万人いるはず。
専門外来をもつ医療機関が全国に十数カ所という現状ではとても間に合わない」と訴えている。
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